microKORG XL。
買った。弾いた。そのメモ書き。
尚、筆者はシンセサイザーやキーボードには詳しくないので、書いてる内容がおかしいかもしれない点に注意する事。
まとめ
なかなかいい楽器だが、どうも自分が必要としていたのはこれではなかったようだ。
- 他の人と合奏するなり、ループ録音するなり、別にメインの楽器を用意するなりして使うべき楽器のようだ。とりあえず一人で単体演奏するのには向いてないと思う。
- 一人でキーボード系楽器を演奏する場合、大体両手で鍵盤を叩くが、XLの鍵盤は鍵の数が少ないので両手だとすぐあふれる。また、構造的に「片手で鍵盤を叩いて、逆の手で各種のスイッチを操作する」前提のようで、両手で弾いているとスイッチ操作が非常にしにくいし、アフタータッチにも対応していない。
- 基本的に、同時に複数の音色を出す事ができない。
- 一応、ティンバーのVOIC.MODEをSPLITにする事で二種類の音を同時に出せるが、ただでさえ狭いXLの鍵盤が更に狭くなり、まともに弾ける領域が足りなくなってしまう。そしてオクターブを上下するスイッチを動かすと両方のティンバーでオクターブが上下してしまう。
- VOIC.MODEをLAYERにしたりOSC1と2を分けたりしてから、パッチにKEY TRK→音量設定を二つ設定したりAMPのKEY TRKを設定したりフィルタやイコライザを使ったりで、高音と低音で音が違うようにする手もある(が、中間音が微妙になりがち)。
- ボコーダで声を出している時に、他の音色は出せない。
- 内蔵のデモソングでは一曲で三種類以上の音色を出しているが、実際にはそんな事はできない。ひどい。
- XLをmidi音源として、外部からmidiデータを流し込む形なら可能だと思う。おそらくデモソング制作者もこの手法で作ったと思う。
- 前述のVOIC.MODEをSPLITにしたり、更に音色のパラメータを工夫してホイールを回せば完全に別音色になるような感じにキリキリにチューニングすれば、一応可能かもしれない
- 鍵盤の鍵と鍵の間の隙間が均一でない。しかし演奏上でこれが問題になる事はないっぽい。グリッサンドとかも問題ないように自分には思える。打鍵時の感触は良好(ただし物理ピアノとは全く異なる柔らかい感触。ちなみに鍵の幅も物理ピアノより狭い)。
- 付属のグースネックマイクが、鍵盤の打鍵音やつまみの操作音を拾ってしまう。ボコーダ用途なら拾ってもあまり問題はないのかもしれないが…。
- これが嫌なら、別のマイクを用意しなくてはならない。
- XLのプリセット音色は汎用な感じにチューニングされているようなので、ちゃんと使うつもりなら、自分でいじる覚悟が必要。
- サウンドエディタ付属の、XL以外のプリセット音色のうち、良さそうなものがあったら個別に*.mkxl_progとして保存しておいて適当に上書きするといいかもしれない
- とりあえず、 http://ascii.jp/elem/000/000/404/404900/ は見ておく事
前準備
- 一番最初に、GLOBALパラメータのPROTECTをOFFにして、エディットした音色などを保存できるようにしておく
- windows PCに、 http://www.korg.co.jp/Support/Download/list.php?product=301 から、サウンドエディタ及びusb接続ドライバをダウンロードしてインストールする事。macの場合は不明。
- 尚、usb接続ドライバは二段階のインストールが必要になる。つまり、まずダウンロードしたものをインストールし、その後、スタートメニューに出現する「usb-midiデバイスのインストール」を実行する、という事になる。分からなくなったらどこかにあるインストール手順をよく確認する事。
- 尚、これをインストールしなくても、windowsが勝手にインストールするドライバでも一応動くようだが、サウンドエディタ起動時に警告が出てうっとおしいのでちゃんとインストールした方がいい。
- 本体のバージョンを確認し、システムアップデータが必要かどうか調べ、必要ならアップデートする事。
音色エディットのメモ
我流で試行錯誤した内容のうち、あとでまた使いそうなコツはここに残す。
- あとで「あれ、この音色って以前はどうやってたっけ?」となる事が多いので、音色データは編集する毎に、ファイル名に日付情報をつけて、昔のデータを残すようにする。
- バージョン管理システムに放り込むのがベストだが、とにかく何らかの手段で過去のデータが参照できればok。
- 基本的に、音色は一つずつしかいじらないと思うので、*.mkxl_all形式で保存するよりも、*.mkxl_prog形式で個別に保存した方が楽。
- 紙マニュアルの49ページにパッチのサンプルがある。どれも普通に使える基本的なもののようなので、迷ったらここを見る事。
- 一部のエフェクトは、出力がモノラルのものがある。pan系の設定を行った場合は、MST FXの設定を確認し、出力がモノラルなエフェクトをwetにかけすぎてないか確認した方がよい。
- VOIC.MODEをLAYERにしてる時は、一時的にそれぞれのティンバーでpanを左右に思いっきり振ると、エディットしやすくなる。
- 一時的にいじってない方のティンバーの音量を0にするのがベストだが、元の音量をおぼえておく必要があったり、また音量を戻してバランスを確認したりするのが面倒なので、panで区別する方が楽な事が多い。
既存の楽器などの音を真似て再現する手順
- まずアタック、ディケイ、サスティン、リリースを真似る(これはそんなにむつかしくない)
- 再現したい音をwavに変換し、audacity等で開き、単音で鳴っている箇所を探し、そこを拡大し、その部分の波形を見る
- 音源の都合で、単音で鳴っている部分がない場合は、なるべく音程が遠い2音で鳴っている箇所を選び、低音の方なら大きい大雑把な方の波形を、高音の方なら小さい小刻みな方の波形を見る
- 音源によっては、単音のように見えても、実は(違う波形の)倍音を含む音源があり、その場合は両方を再現しないといけないので大変
- サウンドエディタでがんばって、似た波形を作り出す
- とはいっても、サウンドエディタは合成後の波形を表示はしてくれないので、いじった結果の波形を頭の中でイメージしながらの作業になる
- イメージしづらい時は仕方ないので、audacity等の録音モードで、いじった音色を録音しては拡大して確認しその後すぐその録音を消す、という作業を繰り返す
- この段階でまあまあそれっぽく聴こえるならok。そうでないなら、一応ファイルに保存してから、wavから波形のサンプルを探すところからやり直す
- 音源によっては、時間経過や音程で波形も変化するものがあり、その場合は手間と難易度が上がる
- 最後に、フィルタやパッチやエフェクトをかけ、細かい再現を行って完成
その他のメモ
- cherry等のmidiシーケンサに対して、XLをmidiキーボードとして使いたい場合は、シーケンサ側の設定で、MIDI INに「microKORG XL 1 KBD/KNOB」を設定する。「microKORG XL 1 MIDI IN」ではない事に注意
- channelもXLとシーケンサの設定値を同じにする事。XLのデフォルトは1
- echo backは、使い方によって設定値が変わる。XL本体の音を聞きたい場合は、シーケンサのecho backはオフにし、XLのMIDI.LOCALをオンにする。逆にシーケンサ側の音を聞きたい場合は、シーケンサのecho backをオンにする(この時、XLのMIDI.LOCALもオンにしていると、シーケンサとXLの両方から音が出る事になるが、XL側は単にイヤホンやスピーカにつながなければいいだけなので、XLのMIDI.LOCALはオンのままでもよい)
弾いてみた
最終更新 : 2010/12/24 13:26:09 JST